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政治経済の教科書を検証する(6)

こんにちの労働問題
(6)労働組合の問題

サービス産業の比重の増大は、寿来製造業中心に組織化を進めてきた労働組合において、組織率の低下という事態を生んでいる。また、日本では、欧米のような産業別または職能別労働組合は少なく、ほとんどは企業別労働組合であるため、労働組合が企業利益と労働者の利益を同一視し、労使協調になりやすい。中小企業には膨大な未組織労働者がいることも、日本の特徴である。こうしたなかで、いかに労働組合の社会的影響力を拡大し、組織率を高めていくのか、労働組合は大きな試練のときをむかえているといえよう。(P.146)

これはその通りかもしれない。ただ、日本にも産業別の労働組合は100万人規模のものがあり、派遣社員や、フリーターの労働組合もある。従来は労働者が他の企業と交流する機会はあまり無かったために組織率は低かったが、今後はインターネットを駆使することで、確実に影響力を強めていくだろう。
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政治経済の教科書を検証する(5)

こんにちの労働問題
(5)女性労働問題

こんにちでは、有配偶女性の労働力率は50%をこえ、男女恊働の時代をむかえている。しかし、男女の賃金格差はまだ大きい。1986年に男女雇用機会均等法が施行され、事業主に大して募集・採用・配置・昇進について、女性と男性を平等に扱うように努力させ、教育訓練・福利厚生ならびに定年、退職および解雇について差別的取り扱いを禁止したが、法律は機会の均等を完全に義務づけたものではなかった。1997年の法改正では、努力義務は禁止措置にかわり、またセクシャルハラスメントの防止も事業主の配慮義務とされた。しかし同時に、労働基準法における女子保護(時間外・休日・深夜労働の規制)規定が廃止された。

今後保育所や学童保育施設の充実、育児休業制度や介護休業制度の確立(1995年に育児・介護休業法が成立)など、男女がともに働ける条件を充実することが必要となろう。(P.146)

女性の労働問題は、往々にして女性が社会から一方的に虐げられてきたという論調で語られることが多いが、もともと女性には「出産と育児」という労働とは別の役割があっために「男性よりも保護されてきた」という見方もある。無論、そのために女性が男性よりも雇用機会に恵まれていなかったという側面はあったかもしれないが、その原因が差別によるものであったと教えるのはどうだろうか?
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政治経済の教科書を検証する(4)

こんにちの労働問題
(4)労働災害・職業病

労働災害による死傷者の数は、1960年ごろには全産業で年間45万人をこえていたが、現在では半数以下になっている。しかし、犠牲者はまだ多い。職業病も、アスベスト(石綿)や化学物質によるものは調査が不十分で、規制が弱い。OA化によって、オフィスでの新しい職業病や労働災害も発生している。過密・長時間労働による過労死が、労働災害として認定されるケースがふえている。日本では、労働者災害補償保険法にもとづき、全額事業者負担で業務上の災害への補償がおこなわれるが、認定基準がきびしく、労使間で対立することが少なくない。(P.145)

文末に「認定基準がきびしく、労使間で対立する」とあるが、それが労災であるかどうかの認定をするのは労働基準監督署であって、雇用主はその申請に協力する義務が課せられているだけである。ただ、その義務を果たさない雇用主があまりに多いために「労使間で対立」しているのだが、この表現では、雇用主に労災認定の権限があるかのように読み取れてしまう。
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政治経済の教科書を検証する(3)

こんにちの労働問題
(3)雇用問題

日本は欧米諸国にくらべて完全失業率が低水準だったが、1990年代後半から企業倒産、解雇、求人の縮小などによって失業率が上昇し、2001年には5.6%とアメリカをこえた。主婦層の潜在的失業、不況を背景とする企業内での過剰人員といった統計にあらわれない失業問題が存在している。さらに、高齢社会の進行とともに、増大する55〜66歳の高齢者の雇用をどう促進するかが大きな課題となっている。60歳定年法(1986年)制定後、60歳以上の定年制を採用する企業がふえつつあり、1998年4月から60歳定年制が義務化された。今後産業構造の変化に対応した高齢者の就業分野の拡大や再教育機会の提供などが求められる。近年は、パートタイムや派遣労働など労働者の就労形態が多様化し、法整備(パート労働法<1993年>、労働者派遣事業法<1985年制定。1999年の法改正では派遣事業の適用業務が原則自由化>)がすすみつつあるが、なおその待遇改善は課題となっている。また外国人労働者の資格外労働や人権保障も社会問題化している。(P.145)

まず「企業内での過剰人員」は失業問題ではないだろう。むしろその過剰人員の雇用を維持するために、どれだけ多くの若者が犠牲になったか、そのことを問題にするべきだ。それから「パートタイムや派遣労働者が増えたから法整備がすすんだ」という表現にも問題がある。実際は企業が人件費削減のためにパートタイムを増やしたり、法整備されていたものを規制緩和したために派遣労働者が「増やされた」のである。
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政治経済の教科書を検証する(2)

こんにちの労働問題
(2)労働時間

日本の製造業における年間総実労時間は、1954時間(2002年)で、アメリカより少し長く、ドイツより429時間、フランスより415時間以上も長い。日本は先進工業国のなかでとりわけ労働時間が長く、貿易摩擦のなかで、国際的な批判をあびてきた。不況の影響で、1990年代になって公式統計上の労働時間は2000時間を下回るようになったが、手当の支払われないサービス残業がふえている。日本の長時間労働の要因としては、残業規制がすすまないこと、週休2日制の普及の遅れ、年次有給休暇の取得率が低いことなどがあげられる。ゆとりのある生活の実現や、国際協調という視点からも、労働時間の短縮、休暇取得率の向上、余暇の充実などが求められている。(P.144)

教科書の中に「サービス残業」という言葉が出ているが、これは労働者が自発的におこなっていることではなく、雇用主から半ば強要されていることである。実際の授業ではそのことを正しく伝えているだろうか?年次有給休暇の取得率が低いのも、それを取得することによって評定が下がるためだ。労働者の側に非があると誤解を招くような表現は避けてもらいたい。
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政治経済の教科書を検証する(1)
本日、新年度に高校で使用される教科書が頒布された。そこで今回から6回に分けて、その内容について検証してみることにする。

こんにちの労働問題
(1)賃金

日本の労働者の賃金水準は世界のトップレベルになったといわれる。しかし、それはあくまで名目上であって、物価水準が高いために、購買力賃金ではかるとアメリカやドイツより低くなる。不況下で、1990年代の後半には賃金水準が低下する傾向が見られた。

日本の賃金は、大企業と中小企業、男女別、学歴別の格差が大きい。これらの格差を是正し、労働者全体の実質賃金を高めていくことが、勤労者の生活の安定に加え日本経済の内需拡大の見地からも重要であろう。大企業は、終身雇用のもとで、年功序列型賃金制度をとっているところが多かったが、近年は年功重視から能力重視へと賃金体系の見直しをする企業がふえてきている。(P.144)

気になるのは最後の部分。「年功重視から能力重視」であるならば、企業はこれほどまでに新卒にはこだわらないだろう。実際には労組の力が強い企業ほど、年功序列賃金制度は堅持される傾向にある。
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